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JA長野厚生連は、農村で病と貧困 に苦しむ人々により自らの健康を 守ろうと、昭和25年に農協組織の一員として設立されました。以来、「医療活動を通じ組合員や地域住 民の命と生きがいのある暮らしを 守り、健康で豊かな地域づくりに 貢献する」という理念のもと、JAグ ループ一体となって保健・医療・福 祉を推進し、健康で活力に満ちた農村と地域社会の発展を推進して います。

地域住民の健康を守るための情報システムを目指す

長野県厚生農業協同組合連合会(以降、JA長野厚生連)は、昭和 25 年にJAグループの一員として設立され、保健、医療、福祉の 3 つの事業を展開して、主に農村医療を中心に病気の予防と高齢者福祉の取り組みを通じて安心して暮らせる豊かな地域社会の実現に努めています。地域医療、救急医療及びへき地 医療にも積極的に取り組み、地域の基幹病院として、近隣医療機関、診療所と連携を密にし、診療機能の充実を図り、年間外来患者延べ約 208 万人、入院患者延べ約 124 万人が利用する公的医療機関です。

近年では医療施設の再構築を図る取り組みとともに、業務効率を高めるために ICT の利活用を推進し ています。業務部業務課は、山間部から平野部まで広大な長野の県内に点在する 10 の事業所で共通 システム基盤の運営・保守を担当して、医療従事者や職員同士が効率よく業務やコミュニケーションを 図るシステム基盤を提供することで、病院に来られる組合員や地域住民の健康を守ることや、地域や社会の貢献につながると考えています。(百瀬)

コンセプトは「遊びゴコロ」

2016 年にサイボウズ・ガルーンの保守が切れることから、 2015 年、業務の効率化や職員同士の連携の 強化を目指した新しい情報系システムの検討が始まり、日本マイクロソフト株式会社から Office365 の 提案、パートナーとしてディスカバリーズを推薦されたことからプロジェクトが始まりました。

業務部業務課システム係の久保友宏 氏は、「病院の電子カルテなど生命に直結する診療系システムで は間違いが許されません。そのため情報共有やコミュニケーションを図る情報系システムでは、遊び ゴコロを入れて職員が使いやすく直感的なシステムの導入を目指しました」とコンセプトを語ります。

このコンセプトのもと、展開したい Office365 のサー ビスや機能を、職員がスムーズに利用できるように、 各事業所から選抜された代表者を交えたワーキング グループを発足しました。「全 3 回の会議を通して職 員の意見を取り入れるなど、バランスを取ることに苦 心しました。しかし、常日頃から事業所との業務連携や コミュニケーションの中で築いてきた信頼関係があったことで、プロジェクトが上手く進んだ」と言います。

 シンプル、見栄えのいいポータルを Insite で構築

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業務部業務課 課長代理 久保友宏 氏

Office365 による職員ポータルの構築では、Discoveries InSite Portal (以下、 InSite ) を導入しました。InSiteを導入した理由として、「デザ イン性があり、見栄えが良い」(百瀬)、「シンプルで誰でもわかりやすい」(青沼)と評価した点を挙げられます。「ポータルのトップページに どんな情報を設置すべきかということや、常に最新の状態を保つことが重要で、InSite によりそれを実現できたのがサイボウズとの大き な違いです。最終的には、いいものが出来上がったなと思います。」(久保)

イベントカレンダー機能を使って、総務課広報担当が「今月の イベント」を掲載しています。「 これまではサイボウズを使って、 メールのように一過性の通知としてとらえていたが、InSite に 掲載することで情報が蓄積され、職員に「見に来てもらう」とい う意識が生まれた」と言います。

お知らせ機能を使って、総務課広報担当が職員向けに発信し たい「厚生連通信」を掲載。厚生連の様々な対外的な活動を全 事業所の職員に伝える場としました。 ローテーションバナー機能では、事業所や病院の写真を掲載 しました。

職員が約 8,000 名もいると他の病院のことを知らない職員もいるため、病院の写真が数秒単位で順々に表示されることで、JAグループの 一員としての意識づくりや、職員に向けたブランディングにもつながったと言います。

職員の反応が活用への手応えに

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社内ポータルサイト トップページ
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業務部業務課
百瀬賢氏
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業務部施設課
青沼大智氏

「職員の中には、クラウドサービスを利用することや、使い勝手が変わることへのハードルの懸念は当初あっ たものの、事前準備や分かりやすいコミュニケーションを図ったことあり、システムの移行や切り替えはスム ーズで、トラブルもなくリリースすることができた」とふり返ります。 「最近では、特定のメンバーだけで円滑なコミュニケーションを図りたい、といった職員からの要望が出てく るなど、新しいコミュニケーションスタイルのニーズが出てきました。今後も InSite と Office365 の活用を進 めて業務の効率化につながれば、と思います。」(百瀬)

「運用が始まると、課題が発生した際にディスカバリーズにメールや電話で相談。何か起こった時に迅速に対 応してもらい、並行して月次定期会議を実施することで、課題を整理して、業務課にナレッジを溜めることに 成功している」と言います。また、リリースから 3 か月が経過する中で、職員側からもInSiteを活用する声が上 がってきています。 「事業所からトップ画面スライドショーの写真変更を依頼されたり、本所では会議招集や出欠管理に役立て たい、など職員での活用の意識が高まっていることを実感しています。」(青沼)

「医療関係の情報を扱うことから組織やシステムも保守的な体質であったが、情報共有ではリラックスできる 場(=システム)を構築できたことは、革新的で先行的な取り組みだった」と久保氏は総括します。

今後の展開

全事業所が利用する共通基盤は InSite を導入したので、今後は各事業所の院内の ICT に取り組みたいと思います。まだ個別にグループ ウェアを利用している事業所もあるので、 InSite を展開して情報共有する意識を高めたいと思います。また、長野の山間部では、高齢者が 多いものの交通手段が少ないため、農村医療の理念に基づいて巡回診療を盛んに行っています。巡回先と院内とのコミュニケーションに Office365 を活用したいと思っています。

事例公開日:2017年4月19日